フライライン-最初の1本を手に入れるまでの道

昨今、各メーカー様より様々な種類のフライラインが販売されてて、これからフライを始められる方にとっては、どれを選んでいいのか、まさに「訳分からん」状態だと思います。

とにかく多種多様なフライラインは、説明文見ても複雑で分かりにくいですからね。(複雑で奥深いのがフライの楽しいところですけどね^^)

ですが、今回は複雑なことを書かず「これからフライを初められる方が選ぶ一本」に絞り、初めの一本を選ぶためのお役に立てればと思い、解説してみたいと思います。

フライラインの役目

まずは、フライフィッシングをやった事がない方が疑問に思う、フライラインの役目についての解説です。

・フライラインって、なんであんなに太いんだろう。
・ルアーだったら、ラインとリーダーだけなのに。

と疑問に思いますよね。

なんでフライラインが必要か? の答えは 投げる(キャストする) 為です。
当たり前のこと言ってますが;

フライフィッシングって、1gにも満たない軽いフライ(毛ばり)を魚のいる所まで飛ばさなければいけません。

↑最もポピュラーなフライの一つ。重量計に載せると0.1g以下です。

フライ自体に重さがまったくない為、ルアーのようにそれ自体の重みでは前方に飛ばすことができません。

その代わりに、太いフライライン自体の「重さ」を利用して、フライを前方に飛ばします。

この「重さ」がフライフィッシングのおける、フライラインの一番の役目です。

初めての1本を選ぶ際の2種類の選択肢

一般的には、初めての1本として選ばれるラインの種類は、

DT(ダブルテーパー)ライン
WF(ウェイトフォワード)ライン

の2種類のどちらかとなります。

それぞれの特徴については、これより解説します。

世界一簡素で解りやすいDTとWFの解説

DT(ダブルテーパー)ライン

DT(ダブルテーパー)ラインとは、上の写真のように両端が先に行くにつれて細くなっているラインです。

両端のいずれでもラインの先端として使用できる為、使い古した片方を逆側に巻き直すことで新品同様のラインとして使えるメリットがあります。

ラインの形状

一般的なDTラインは、以下のように先端に向けてテーパー部分(だんだん細くなってる部分)が約5メートル前後あります。

これは紙飛行機を飛ばした時に、前へ飛んでいく原理と同じで、先端が細くなることで 前方に向けて力を伝わりやすくする為 の構造となります。

キャスティング性能

フライキャスティングの際、準備としてフライラインを以下のようにロッドの先端からある程度出しておく必要があります。

DTラインに関しては、どの部分までロッドの先端から出していようと ほぼ同じような重さが手元まで伝わってくる ライン形状のため、比較的簡単に投げることができます。

また、投げやすいためコントロールが容易となり 操作性 も良くなりますので、ポイントまでキャスティング精度が高いラインです。

デメリットとしては 先端が細く力が抜ける構造 でもあるため「重たいフライ」や「空気抵抗の大きいフライ」などのキャストには、力負けしてしまい、前方に飛ばしにくいラインです。

また、ラインの先端9m以降は太い部分が続き、キャスト時の摩擦が大きいため、遠投性能も高くありません。

特徴まとめ

■両端を先端として使えるため経済的メリット大
■キャスティングが用意でかつ、精度が高い
■重たく、大きいフライのキャスティングには向かない
■遠投向きではなく、~15m程度の近~中距離向け

向いている釣り

■近~中距離のキャスティングで事足りる小規模河川での釣り
■小さめのドライフライの釣り(フックの大きさでいくと12番より小さなフライ)

WF(ウェイトフォワード)ライン

WF(ウェイトフォワード)ラインとは、上の写真のように先端に重量を集中させ、以降は細い部分が続いているラインです。

DTラインのように両端を使えるラインではありませんが、重たい&大きいフライを飛ばしやすく、また遠投しやすいメリットがあります。

ラインの形状

一般的なWFラインは、以下のように先端9mに重量が集中する形状になっています。

重量を先端に集中させることで、先端のフライを前に押し出す「パワー」を持った構造となります。

キャスティング性能

先端に重量(パワー)があるため、大きい&重たいフライでも前方へ飛ばしやすいメリットがあります。

また、先端重量のわりに、9mより先の部分が細くなっているため遠投性能も高いラインです。

デメリットとしては、DTラインとは異なりキャスティング準備の際、ロッドの先端からどこまでラインを出しておくかによって、キャスティングに大きく影響がでます。

WFラインの場合、目安のとして以下の の場所まで、ロッドの先端から出しておく必要があります。

出しておく箇所が以外の位置でもキャスティングはできます。
ただし、の箇所より短いと途中で急に太さが変わりキャスティング精度が悪くなりますし、より長くすると長すぎるため、最初のうちはうまくいきません。

キャスティングが少し難しいラインです。

特徴まとめ

■大きい&重たいフライのキャスティング向き
■遠投向き
■キャスティングが少し難しい

向いている釣り

■遠距離のキャスティングが必要なフィールドでの釣り
■大きい&重たいフライを投げる必要がある釣り

DTとWFの比較

さて、これまでDTラインとWFラインについて解説をさせていただきました。
今度は各ラインの比較をしてみます。

どちらのラインも一長一短あります。
あくまで参考となりますが、最初の1本の参考にしてください。

続いて、各ラインのおおよその対応する番手を紹介します。


フライフィッシングにはロッド、ラインともにロッドの強度を表す「番手」が存在します。
一番強度が弱い番手が「0番」となり1番手ごとに大きくなり「14番」くらいまで存在します。


ロッドと番手の愛称ですが、基本的には番手を合わせて、ロッドが3番だった場合は3番のフライラインを使うのがベストです。

こちらもあくまで参考目安です。
釣り方や狙うターゲット魚種によっては、例外はもちろんあります。

また、もちろん7番以降のロッドやラインを使用するフライフィッシングも、大物をターゲットとした場合など数多く存在します。
ただ、少し難しい釣りとなりますので、あくまで最初の1本と考えた際に、必要ないかと思い省かせていただいました。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

フライフィッシングでターゲットとなる魚やフィールドは数多く存在します。
どの魚やフィールドをターゲットにするかによって、選ぶフライラインは異なります。

上記にて解説させていただいた内容を参考に「最初の1本」を選ばれる際には、フライフィッシング経験者に相談するなり、専門のショップに相談されるのがベストです。

ライン1本でも、高額になってしまう場合もありますので、失敗のないようにしてくださいね^^

それでは、素晴らしいフライフィッシングライフをお過ごしください!

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